研究概要 |
本研究は前臨床試験のうち,毒性試験と薬効薬理試験とを対象としている.毒性試験では,(ア)Mouse lymphoma assay,(イ)代謝協同阻害試験,(ウ)細胞転換試験,(エ)変異原性試験,などについてデータ解析法の検討を行なった.このうち,(ア)については林真氏(国立医薬品食品衛生研究所),大森崇氏(東京理科大学)と論文原稿を作成中である.(イ)については岩瀬裕美子氏(三菱化学)らと共に新たなバリデーション研究の試験計画を検討している.(ウ)については土屋敏行氏(昭和電工)を第1著者とした論文を投稿済みである.(エ)についてはI.D.Adler氏(ドイツ)を第1著者とした論文をMutation Research誌に公刊した.さらに1999年3月にワシントンで行われる遺伝毒性の国際ワークショップでの討論内容に,これを反映させる予定である. 毒性試験の代替法の開発については,ドレイズ眼刺激性試験の代替法の実用性を検討し,完全代替はできないが無刺激性物質の検出と強刺激性物質の検出には役立つ代替法があることをデータ解析の結果として整理している.結果は,ロンドンと神戸で開かれた2回のワークグループ会議と1998年6月のトキシコロジー学会で発表した. 薬理試験では,データを単純な検定で解析するのでなく,モデルを設定して解析することを提案し,研究成果を山田俊介氏(東京理科大学)を通して医薬安全性研究会に報告した.1999年2月に行われた日本製薬工業協会医薬品評価委員会,統計特別小委員会シンポジュームでは,吉村自身が講演を行い研究成果を発表している.この他に,1998年12月22日に南アフリカのケープタウンで開かれた国際計量生物学会でも成果を発表している.
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