研究課題/領域番号 |
09680363
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
知能情報学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
北澤 茂良 静岡大学, 情報学部, 教授 (00109018)
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研究分担者 |
田中 勝 静岡大学, 情報学部, 助手 (80236637)
北村 達也 静岡大学, 情報学部, 助手 (60293594)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 人工内耳 / 聴覚モデル / 音響シミュレーション / 音声の符号化 |
研究概要 |
聴覚末梢系の数理モデルを逆変換する。Meddisの神経伝達物質に基づく内有毛細胞モデルを基礎として神経伝達物質に関して逆問題を解くことによって蝸牛での非線形飽和特性の逆変換を実現した。本年度は、大平のFIRフィルター、Pattersonのガンマトーンフィルター、Sneffのフィルターの三つの聴覚フィルターについて、逆フィルターとしての振幅位相特性を実験比較した。その結果大平のフィルターが優れていることが明らかになるとともに、資料音声入力に対して聴覚モデル出力から原入力音を高精度に再現することができるようになった。MATLABおよびMathematicaで実現した。この研究成果についてICPhS'99で研究発表の予定である。 音声波の人工内耳電極パルスへの効率的な変換のための音声符号化法の原理に基づく効率的多チャンネルパルス化アルゴリズムを改良した。この問題では所与のフィルターセットについて最適な組み合わせ系列を求める問題に帰着できる。このときフィルターセットを符号とする正負のパルス系列が圧縮音声情報として得られ、これを人工内耳の電極パルスに対応づける。符号化復号化(分析合成)によって符号化の聴感品質を評価したところ、低域に比べて相対的にエネルギーが小さい高域成分が分析過程で脱落して不足していることがわかった。この研究成果についてオーストラリアのシドニーでICSLP'98で発表した。人工内耳についてはオーストラリアが先進国であるが、メルボルン大学、コクレア社の研究者、人工内耳の開発者ジムクラーク博士らが我々の方式に強い関心を持って詳しく説明を求めてきた。今後共同研究を進展させることになった。本年度は我々の人工内耳研究が国際的に認知されたことでわが国の人工内耳研究の歴史に重要な一歩記すことができた。
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