研究課題/領域番号 |
09680424
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会システム工学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
幸田 武久 京都大学, 工学研究科, 教授 (60205333)
|
研究分担者 |
井上 紘一 (井上 絋一) 京都大学, 工学研究科, 教授 (70026079)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | システム挙動 / 故障影響度評価 / ボンドグラフ / システム状態方程式 / 偏差 / 定常状態 / 定性的解析 / ツリーグラフ |
研究概要 |
本研究は、解析者の経験や主観的判断による解析結果の差異や誤りを防ぐため、システム信頼性・安全性解析の基礎となるシステム故障に関する知識をシステム挙動モデルから導出する方法の確立を目的とする。 平成9年度は、設計仮定からシステム挙動モデルを合理的に得るために、物理的現象と要素モデルの対応が明確なボンドグラフ(BG)の利用を試みた。BGはエネルギー流に着目して、電気系、機械系や油圧系を統一的に表現する。またエネルギー貯蔵を表す状態変数、エネルギー供給を表す入力変数と各要素の特性関数で表されるシステム状態方程式でシステムの動的な挙動が表現される。要素故障は特性関数や入力関数の変化で表せば、故障影響度は各状態変数の偏差で評価できる。設計の初期段階では要素特性が定性的な情報でしか与えられないので、定常状態における制約条件を用いて状態変数の変化を定性的に評価する方法を開発した。 平成10年度は、影響度解析をより効果的に行う方法を開発した。まず、BGから得られるシステム状態方程式をツリーグラフ(TG)で表現する:ノードはBGの各素子や状態変数や入力変数を、ノード間を結ぶ枝は要素間の入出力関係を表す。要素故障による偏差をTG上で伝播させて、各ノード出力の偏差を求めてその影響を評価する。ノードの特性関数は自由に設定できるので、多重故障も取り扱える。各ノード出力がシステム状態(圧力や流量等)に対応するので、TGから各システム状態への影響も評価できる。また、システム挙動に対する仮定が正しい限り解の妥当性が保証される。油圧システム等の解析に適用して本手法の有効性を確認した。さらに、要素故障発生直後の偏差も同様に求められる。故障影響解析結果は一種の故障診断表と考えられるので、故障診断への応用も検討した。なお、TGを用いた故障原因推定は、原因候補を効果的に絞り込むことができず、今後の検討課題となった。
|