研究課題/領域番号 |
09680431
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会システム工学
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研究機関 | 神戸商科大学 |
研究代表者 |
加藤 恵正 神戸商科大学, 商経学部, 教授 (80161131)
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研究分担者 |
井内 善臣 神戸商科大学, 商経学部, 助教授 (10094525)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 阪神・淡路大震災 / ケミカルシューズ産業 / 集積 / 社会的分業 / インナーシティ / 都市経済 / コミュニティ・ビジネス / システム・ダイナミクス / まちづくり / 地域連関 / 空洞化 / コミュンティ・ビミネス |
研究概要 |
都市型地場産業であるケミカルシューズ産業の存立基盤は、70に及ぶ工程の社会的分業にある。神戸市長田区に形成された極めて高密度なこの集積の崩壊と再生過程の追跡が本研究の狙いである。主要事業所(メーカー)は震災後半年でほぼ事業を再開しているが、生産額ベースでみると4年を経てなお6-7割の水準にある。こうしたなかで、社会的分業は大きくは2つのパターンで再編の動きが見られた。ひとつは、大手メーカーによる重要部品の内製化である。震災による集積の崩壊は、外部経済に依拠するリスクを事業者に認識させるとともに、ファッション製品の短サイクル化に機動的に対応させることとなった。かかる変化は、下請や部品供給工場の固定化という動きに表れている。第二は、これまでの社会的分業を再度復旧する動きである。ただ、このパターンは、比較的安価な製品を作るケースが多い。震災前から直面していた発展途上国との価格競争は、厳しいものがあり生産額が伸びない原因のひとつである。この他、高級靴を指向するクラフト化や製造は海外で行う海外との分業など、実際には多様な動きが看守できた。 ケミカルシューズ産業集積は、重層的に形成されたコミュニティとの連関性が強く、実際には「産業集積」としての視点だけでは評価できないし、その再生・再編のあり方も社会経済的視角が不可避である。本研究では、「コミュニティ・ビジネス」として位置づけることを提案した。 なお、政策復興シュミレーションは、現場データの蓄積とその分析の段階にあり、試行的に構築したモデルによって暫定的な結論を導いている。本格的な政策シュミレーションが今後の課題である。
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