研究概要 |
1. 周波数8-18GHzで動作する周波数掃引型受信機二台を用い,ガンマ10セントラル部上下対向ボートにおいて,モード変換散乱(Cross-Polarization Scattering:CPS)および反射計測定を行った。送受信ホーンとして双モード広帯域ホーンを用いることにより、正常波(O)および異常波(X)間のモード変換散乱とOモードあるいはXモード反射計測定を同一位置かつlショットで行い,密度揺動および磁場揺動の分離評価に成功した。 2. モード変換散乱装置および反射計を,イオンサイクロトロン周波数領域(ICRF)の波動,およびドリフト周波数領域の低周波波動の測定に適用し,以下の結果を得た。 (1) ICRF領域の,アルフベン・イオンサイクロトロン(AIC)モードの時間・空間振る舞いを観測し,その励起機構を明らかにするとともに,端損失束およびエネルギー分布との相関から軸方向閉じ込めへの影響を評価した。 (2) プラズマのベータ値およびイオン温度の非等方性の増大にともなうAIC不安定性の成長と,ミラー磁場中の軸方向境界で決定される離散的な定在波モードを確認した。また,隣接モード間の非線形結合により生じる低周波磁場揺動の励起を観測し,ベータ値飽和との関連も議論した。 (3) 信号解析にウェーブレット変換を適用し,AIC波動および低周波波動の時間-周波数スペクトル,クロススペクトルの導出から,それぞれの波動の伝搬速度を決定することができた。 (4) 低周波領域の測定では,信号はプラッグの条件を満足していること,また,散乱角依存住の測定も行い,波動が磁場揺動を含む電磁ドリフト波の分散関係を満足することを初めて示した。 3. プラズマ中の電磁波伝搬に関する計算機シミュレーションから,電磁波のモード変換散乱法により磁場揺動の波数と局在位置を求めることが可能であり,磁場揺動測定に有効であることを明らかにした。
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