研究概要 |
周期的静電場を励起したコンデンサーアレーの間に相対論的速度(〜c)で伝搬する相対論的電離面を伝搬させることによって,超短パルス電磁波(マイクロ波)の発生実験を行っている.この方式は,直流電圧から,交流である電磁波に直接変換することから,DC to AC Radiation Converter,DARCと呼ばれている.用いたレーザー光はYAGの4倍高調波であり,パルス幅6ns,エネルギー〜100mJである.動作ガスは,4ω光に対して電離のしやすい,TMAE(C_<10>H_<24>N_4)と呼ばれる有機アミンガスを用いた.実験では,周波数9.5から14.1GHzの10ns程度のマイクロ波パルスが観測された.発生した電磁波は,静電場の方向に偏向していることも観測された.また,導波管内での電磁波の分散関係から,電磁波の導波管内の伝搬速度は周波数の関数となること用いることによって,電磁波の周波数広がりの詳細な観測を行った.これによって,電磁波の周波数は,10%程度の広がりを持っていることが確認された.電磁波の出力は,初期静電場の2.3乗に比例することも確認された.この依存性は理論的に予測される値より大きい.以上の実験により,DARCの理論的検証は出来たと考えられ,今後更に短パルス・高出力化を計画している.
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