研究概要 |
乾式のガス処理装置の新しい方式の開発を目的としてこの研究は行われた。パルス大電流電子ビームによる純窒素中及び酸素混合窒素(模擬排ガス)中のNO_X処理の基礎的な知見を平成9年度購入品NO_X-O_2測定装置(NOA-7000)を用いて実験的に得た。パルス大電流電子ビーム(【less than or equal】160keV,140A,2A/cm^2,700ns,12.6J/shot)を純窒素中に打ち込むと、窒素ラジカルが生成されNOがN_2とO_2に還元され、直流電子ビームと同等またはガス容器の大きさ、初期ガス中のNO濃度、ガス容器へ入射するパルス電子ビームのパワー、パルス幅などの最適化によって2〜3倍のエネルギー効率(500〜900nmol/J)でNO_X処理が出来る事を明かにした。模擬排ガス中では水分添加するとOHラジカルが生成して効率400nmol/JでNO_Xが除去され、壁に水布をステンレス網で張付けるとNO_2を吸収して効率化に出来る事、アンモニアのみの添加でもNO_Xの除去が出来るなどを明かにした。パルス大電流電子ビームは大気中で自己磁場によるトランスポート、収束のモードがあり、このような超高密度電子ビーム反応炉を構想した。その予備実験として外部磁場で電子ビームのトランスポート、収束を行う装置を製作し、電子ビーム3回照射で50%の高除去率が得られた。以上の基礎研究の成果はパルス電子ビームが新しいガス処理装置の可能性を持つ事を示唆している。
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