研究課題/領域番号 |
09680472
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
エネルギー学一般・原子力学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山崎 浩道 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00166654)
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研究分担者 |
栃山 修 (杤山 修) 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70005479)
松山 茂男 (松山 成男) 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70219525)
石井 慶造 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00134065)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 荷電粒子励起X線放射 / プロトンビーム / 微量金属定量分析 / 前濃縮 / コロイド / ポリカーボネート薄膜 / トリウム / ウラン / アクチノイド / フミン酸 / 金属水酸化物コロイド |
研究概要 |
放射性廃棄物の地層処分安全評価においてアクチノイドと地下水中の無機・有機コロイドに対する収着機構の解明が必要であるが、この為には実験系を乱すことなく、コロイド粒子に吸着したアクチノイドを定量する方法の開発が不可欠である。本研究では、アクチノイドとコロイドの金属成分と合わせて定量する目的で、高い分析感度と多元素同時定量性を有する荷電粒子励起X線放射(Particle-Induced X-ray Emission:PIXE)分析に注目して装置開発を行った。即ち、重力による.試料固定とビーム照射面の冷却が可能な垂直ビーム大気中PIXEシステムを現有のダイナミトロン静電加速器に設置し、試料中の元素の揮発や照射面の変形に起因する分析誤差が生じないことを確認した。更にビーム取り出しの為の真空遮断に用いるカプトン膜の耐久テストを行い、入射粒子のエネルギー損失、ビーム電流とビーム径等の実験条件に基づいて遮断膜の寿命予測を可能にした。また、大立体角を有するX線検出系を設置した結果、5-15keV領域のX線検出効率が、Si(Li)半導体検出器1台の従来のシステムに比べて10倍以上に向上出来た。コロイド金属成分のPIXE分析については、Nuclepore filter に捕集した鉄コロイドが数ppb〜ppmにわたって定量可能(3MeV H^+ 3μC)であるこを確認した。また、低バックグランドのターゲット支持膜としてポリカーボネート薄膜(膜厚<0.3mg/cm^2)の調製法を確立した。この膜上で0.1mlの溶液を乾燥させた試料をPIXE分析(3MeV H^+ 3μC)することによって、1×10^<-8>M程度の希薄な濃度までTh^<4+>,UO^<2+>_2イオンが定量できることを確認した。また、フミン酸を用いて同様に調製したターゲットのPIXE分析では微量の金属不純物が高感度で定量できることを確認した。更に、より希薄なアクチノイド元素の定量を可能にする為に、ジべンジルジチオカルバミン酸錯体形成とジべンジリデン-D-ソルビトール凝集法を用いた前濃縮が有効であることを確認した。これらは全て内標準物質を含むPIXEターゲット調製法であるが、河川水や放射性同位体実験室排水の分析に適用して可溶・不溶成分の元素分析方途しての有効性を明らかにした。
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