研究課題/領域番号 |
09680503
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹内 一郎 東京大学, 海洋研究所, 助手 (30212020)
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研究分担者 |
田辺 信介 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (60116952)
宮崎 信之 東京大学, 海洋研究所, 教授 (40101464)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 沿岸生態系 / 海水 / 急性毒性 / モニタリング / 有機スズ化合物 / ワレカラ類 / チェックリスト / 大槌湾 / 海 / 生物濃縮係数 |
研究概要 |
船舶塗料の防汚剤や塩化ビニルの安定剤などに利用された有機スズ化合物は、日本では1990年に小型船舶や養殖施設等での使用が禁止された。しかし、その後も有機スズ化合物は浅海域生態系に残留しており、非常に低い濃度でも生物に影響を与えることが報告されている。本研究は、小型甲殻類の一群であるワレカラ類を用いて有機スズ化合物濃度のモニタリング方法を確立することを目的として実施した。 今年度は、大槌湾に棲息するワレカラ類と同じ端脚目甲殻類であるヨコエビ類の急性毒性耐性、及び、有機スズ化合物(TBT、DBT、MBT)の残留組成を検討した。その結果、20℃における48時間LC_<50>はワレカラ類で1.2-6.6μgTBT/Lとなり、ヨコエビ類の17.8-23.1μgTBT/Lより有意に低い値を示した。また、有機スズ化合物の残留組成は、ワレカラ類では海水中と同様にTBTの割合が70%以上を示すが、ヨコエビ類では、逆にTBTの分解代謝物であるDBTとMBTが70%以上であった。 今年度も、昨年度に引き続き、東京湾等よりガラモ場群落や各種海洋構造物上に生息するワレカラ類を生息環境中の海水とともに採取し、有機スズ化合物の残留濃度の分析に供した。過去3ヶ年に採集した全てのワレカラ類のサンプルから有機スズ化合物が検出された。山形県飛島から採取したマルエラワレカラCaprella Penantis R-typeの<1ngBTs/gから熊本県天草から採取したマギレワレカラCaprella decipiens Mayerの466ngBTs/g wet weightまで約500倍の変化が確認された。本結果は現在投稿中である(Takeuchi et al.MS)。 以上より、ワレカラ類はTBTの分解代謝能力が低く、海水中の有機スズ化合物濃度を反映し、モニタリング生物としての有効性が高いと考えられた。
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