研究課題/領域番号 |
09680573
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
玉垣 誠三 大阪市立大学, 工学部, 教授 (40047246)
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研究分担者 |
長崎 健 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (30237507)
荻野 健治 大阪市立大学, 工学部, 教授 (30089958)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | デンドリマー / 光応答性 / DNA / 遺伝子導入 / フォトクロミズム / トランスフェクション / カリックスアレーン / ゼータ電位 / カチオン性光応答デンドリマー / 光応答性デンドリマ- / アゾベンゼン / シス・トランス異性化 / L-リジン基 / ドラッグデリバリーシステム |
研究概要 |
本研究はより高付加価値のある機能性デンドリマー化合物の開発を目指し研究を開始した。今日遺伝子治療との関係から安全面で有望である非ウイルスベクターの導入効率を向上させることが重要な問題となっており、我々はこの問題を解決する一つの方法として、生体物質との親和性を可逆的にコントロールできる光応答システムを塩基性デンドリマー化合物へ導入することにした。その結果、次のことが明らかとなった。 1.基本骨格にアゾベンゼンを含む光応答性デンドリマー(ポリアゾベンゼンデンドリマー)を合成する事ができた。 2.ポリアゾベンゼンデンドリマーのフォトクロミック特性はデンドリマーの世代の違いを反映する。 3.ポリアゾベンゼンデンドリマーの分子サイズをアゾベンゼンのシス-トランス異性を利用して制御できる。 4.水溶性に富む末端リシン修飾ポリアゾベンゼンデンドリマー(Lys-G2)は相互作用により安定な複合体を形成する。 5.ポリアゾベンゼンデンドリマー(Lys-G2)は哺乳細胞にプラスミド遺伝子を効率よく導入する事ができる。 6.ポリアゾベンゼンデンドリマーを用いたトランスフェクションは紫外光照射を利用して効率を増加できる。 7.ポリアゾベンゼンデンドリマー(Lys-G2)と核酸分子の親和性は末端カチオン電荷に依存する。 以上の知見は、デンドリマー化合物が生体分子と相互作用する上で有効な手段となることをあらためて明らかとしたことにとどまらず、フォトクロミック分子を用いて細胞内タンパク質発現というin vivoでの生物プロセスを光制御できることを証明した。今後さらなる改良を施すことにより、遺伝子治療現場で早急に求められている高効率非ウイルスベクターの開発につながっていくと期待される。
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