研究課題/領域番号 |
09680580
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物有機科学
|
研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
木島 孝夫 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (80121557)
|
研究分担者 |
徳田 春邦 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60111960)
高崎 みどり 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (10179434)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 小青龍湯 / 発癌抑制作用 / 細辛 / リグナン / asarinin / 皮膚発癌抑制作用 / 肺発癌抑制作用 / 抗発癌プロモーター作用 |
研究概要 |
1. 漢方方剤小青龍導は、Epstein-Barr Virusの活性化抑制作用を指標とする一次スクリーニングにおいて、顕著な抑制効果を示した。又一酸化窒素ドナー投与により誘発されるマクロファージの分化抑制、血清中NO_2の増加に対して抑制的に作用することを明らかとした。さらに、TPAが細胞周期に与える影響を濃度依存的に軽減することを、フローサイトメトリック法により明らかとした。 2. 本方剤は、DMBA及びTPAによるマウス皮膚二段階発砺並びに、4-nitroquinoline-N-oxide及びglycerolによるマウス肺二断階発癌抑制実験において顕著な抗発癌プロモーター作用を示した。又一酸化窒素ドナー投与によりマウス二段階発癌実験における発癌イニシエーション作用が誘起されるが、本方剤は、この発癌イニシエーション作用をも抑制することが明らかとなった。 3. 小青龍湯構成生薬中、細辛に活性が認められたので、活性成分を単離・構造決定し、脂溶性成分であるasarinin,xanthoxylolにはマウス皮膚・肺二段階発癌抑制実験における顕著な抗発癌プロモーター作用が有ることを明らかとした。さらに、これら脂溶性成分は単味の生薬煎液には溶出されないが、小青龍湯方剤中には相当量溶出し得ることを解明し、方剤中の有効成分の一つとなっていることが確認された。 以上の結果より、漢方方剤小青龍湯は顕著な発癌抑制作用を有し、極めて有望な天然物による発癌予防剤となりうることが明らかとなると共に、その有効成分の一つが細辛に含有される、asarinin及びxanthoxylolであることが明らかとなった。尚、小青龍湯以外の漢方方剤の発癌抑制効果を検討中であり、他の生薬・民間薬における発癌抑制作用についても検討報告している
|