研究課題/領域番号 |
09680660
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
瀬川 新一 関西学院大学, 理学部, 教授 (70103132)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | チトクロムc / ペプチド断片鎖複合体 / 熱力学 / 蛋白質の構造形成 / カロリメトリー / チトクロムC / ペプチド断片複合体 |
研究概要 |
蛋白質の折りたたみ反応機構を解明するために、ツナ・チトクロムcをペプチド断片鎖に分断し、それを混合して天然蛋白質の立体構造を再構成する熱力学的研究を行ってきた。ペプチド断片鎖(1-44)H [Hはヘムを含むことを意味する]と(45-103)鎖間の複合体形成を詳細に研究してきたが、さらにこの断片を(1-21)H、(22-44)、(45-66)と(67-103)の4断片に分断した。(1-21)Hと(45-103)鎖の複合体のCDスペクトルから、この複合体は、(1-44)H・(45-103)複合体と同様、天然蛋白質に類似した立体構造を形成している事が分かった。複合体形成に伴うエンタルピー変化ΔH、および結合反応定数を滴定型カロリメータによって測定した結果、ΔHは-92kJ/molであった。Ωループ領域(残基18-33)の欠損によって約50kJ/mol程度の相互作用エネルギーが喪失したことになる。一方、(1-44)Hと(67-103)断片を混合すると、総合定数はそれほど減少しないにもかかわらず、結合エンタルピーΔHが大きく減少することが明らかになった(ΔH=-46kJ/mol)。すなわち、(1-44)H・(67-103)複合体においてはエントロピー的に複合体が保持されている。またCDスペクトルからも、N端、C端へリックス間の特有の構造が大きく失われたことがわかった。この複合体においては、(1-44)H断片鎖に存在するHis26がヘムの非天然の第6配位子となっていることが400nmおよび620nmの吸収スペクトルから確認された。すなわち、ペプチド部分鎖(45-66)領域の欠損は、Ωループ領域の第6配位子座付近へのミスフォールドという結果を招き、N端、C端へリックス間のエネルギー的に安定な構造形成が阻害されるという結論に至った。
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