研究概要 |
1.XAB2の蛋白質相互作用:種々のtruncated-XAB2をコードするcDNAを作成し、Yeast two-hybrid法を用いて検討した結果、XAB2のTPR7,8を含む領域(214〜356番目のアミノ酸)がXPAとの結合に必要であることが解った。免疫共沈降法を用いてXAB2は転写と共役したDNA修復(TCR)特異的因子CSA,CSBと細胞内で複合体を形成していることを確認した。また、生理的条件下でゲル濾過法により分画されたHeLa細胞の粗抽出液のWestern blot解析より、XAB2は分子量700kDa以上の画分にCSB,RNApolymerase IIと共に溶出された。更に、抗XAB2抗血清を用いてRNApolymerase IIが免疫沈降することや、逆に抗RNA polymerase II抗体でXAB2が免疫沈降することから、XAB2はXPA,CSA,CSB・RNA polymerase II複合体と結合し、TCRに関与していることが強く示唆された。2.XAB2と相互作用する新たな蛋白質の検索:Yeast two-hybrid法を用いてXAB2と相互作用する蛋白質の検索を行い、RNA結合モティーフを持つ蛋白質、細胞周期の調節に関与している蛋白質、蛋白質の分解に関与している因子と結合しうることが解った。3.XAB2欠損細胞の作成とXAB2機能の解析:XAB2欠損細胞を得るために、マウスXAB2遺伝子とcDNAを単離・解析し、遺伝子ターゲティングベクターを作成しポジティブ・ネガティブ法を用いて3株のXAB2標的遺伝子組換え体を得た。マイクロインジェクション法により生細胞内へ導入された抗XAB2抗血清は、TCR及びRNA合成を強く阻害することから、XAB2はTCRのみならず転写機構そのものに関わっていることが解った。
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