研究課題/領域番号 |
09680710
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 東京大学 (1998-1999) (財)癌研究会 (1997) |
研究代表者 |
前田 達哉 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (90280627)
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研究分担者 |
畠山 昌則 財団法人 癌研究会, 癌研究所ウイルス腫瘍部, 部長(研究職) (40189551)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ras / GAP / 発癌 |
研究概要 |
1.既知のrasGAPと高い相同性を有する新しい分子nGAPのcDNAをヒト心筋ライブラリーから単離した。nGAPは中央部に存在するGAP関連ドメインに加え、C末端付近にcoiled-coilを取ると考えられる領域を持っていた。nGAPはシナプス特異的に局在するSynGAP、および線虫C.elegansのGAP-2と全長にわたって高い相同性を有していた。 2.nGAPの発現の組織特異性をRT-PCR法を用いて検討したところ、調べた全ての臓器で発現が認められた。 3.出芽酵母のrasGAP遺伝子であるIRA2の欠損をnGAPが機能相補することを確認し、nGAPが酵母のRas蛋白質に対してrasGAPとして機能することを示した。 4.大腸菌で発現したGST-nGAP融合蛋白質を用いたin vitroの実験では、H-Ras蛋白質に対するrasGAP活性を確認できなかった。またR-Ras、Rap1B、Ra1を基質にした場合もGAP活性は認められなかった。 5.培養細胞(HeLa細胞)におけるnGAPの高発現がRas蛋白質の活性に及ぼす影響を、血清刺激に応答したMAPキナーゼの活性化に対する抑制効果を指標に検討した。その結果、nGAPの発現プラスミドをトランスフェクトしnGAPを高発現した細胞でも、MAPキナーゼの活性化の抑制が認められなかった。nGAPのGAP活性の発現には何らかの条件ないし因子が必要である可能性も考えられる。 6.FISH法とラディエーションハイブリッド法を用いてnGAPの染色体マッピングを行ったところ、いずれの方法によってもヒト染色体1q25にマップされた。この領域には遺伝性前立腺癌の原因遺伝子HCP1存在することが示唆されており、nGAPがHCP1の本体である可能性がある。
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