研究課題/領域番号 |
09680730
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
秦野 修 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (40164850)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | Ad4BP / SF-1 / Pref-1 / ZOG / WT1 / 副腎皮質 / 生殖腺 / 副腎皮質-生殖腺原基 / 発生分化 / 形態形成 / 分化機構 / 発生 / 副腎-生殖腺原基 |
研究概要 |
著者は、転写因子Ad4BP/SF-1の発現解析より副腎皮質原基と生殖腺原基が共に由来する共通原基(副腎皮質-生殖腺原基Adreno-gential primordiumと命名)を見い出した。本研究は、この共通原基の分化に関与する制御因子の探索とその性質の解明を目的として以下のことを明らかにした。 1.副腎皮質-生殖腺原基の分化に関与する候補分子としてPref-1(別名ZOG)を見い出した。これはもともと副腎皮質の球状層に特異的な因子としてクローン化し、球状層と束状層の間のステロイドホルモンを産成しない領域(副腎皮質の幹細胞層と予想されている)が、Pref-1を発現する外層部と発現しない内層部から構成されることを見い出した。脂肪前駆細胞におけるPref-1の機能と再生副腎実験より、Pref-1は副腎皮質においても組織を未分化な状態に維持する機能があることが示唆された。又、発生過程におけるPref-1の発現を調べることによって、副腎皮質-生殖腺原基に既に広く発現していること、及びその分化過程で副腎皮質原基にのみ発現が継続するが、生殖腺原基においては発現が止まることを明らかにした。一方、生殖腺形成に必須の転写因子であるWT1は、副腎皮質-生殖腺原基の生殖腺原基側において発現しているが、副腎皮質原基側には発現していないことを見い出した。 2.Pref-1とWT1との機能的関連を調べるために、Pref-1遺伝子プロモーターの構造解析を行ない、プロモーター内にWT1の結合配列が存在することが明らかになった。そこでPref-1プロモーター制御下のレポーターラスミドとWT1発現プラスミドを用いたプロモーターアッセイにより、Pref-1の転写がWT1によって抑制されること、およびWT1結合配列に塩基置換を導入すると転写抑制がおこらないことを見い出した。これらの結果からWT1が生殖腺原基側においてPref-1の発現を抑制することが、副腎皮質-生殖腺原基から生殖腺原基への分化に必要であることが示唆された。
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