研究課題/領域番号 |
09680760
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
阿部 輝雄 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (50010103)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | シナーフィン / 伝達物質放出 / シンタキシン / シナフス / シナプス / シナ-フィン |
研究概要 |
シナーフイン(synaphin)は私達が発見した細胞質蛋白質で、伝達物質放出機構の中心的役割をはたす融合複合体(fusion complex)に結合している。この蛋白質の生理的機能を解明を目標として研究を行い、以下の成果を得た。 (1) 脳内分布と進化上の保存度 シナーフィンには84%のホモロジーを示す2種のisoformが存在するが、その分布は大脳、小脳、視床、扁桃体等で大きな差があり、両者の生理的意味が異なることを示す。また、シナーフィンは魚類にも哺乳動物と酷似したものがあり、無脊椎動物にも存在する。このようにシナーフィンは進化上、極めてよく保存されている。 (2) 機能 イカ巨大シナプスのシナプス前末端にシナーフィンの部分ペプチドを注入すると、伝達物質の放出が強く阻害される。このペプチドはシナーフィンとシンタキシン(Syntaxin)の結合を特異的に抑制し、他のSNARE間の相互作用、シナプス小胞のdockingあるいはCaチャネルには影響しない。以上の知見がら、シナーフィンとシンタキシンの相互作用が伝達物質放出に必須であると結論される。組換え蛋白質を用いた結合実験から、シンタキシンとシナーフィンだけでは極めて弱い結合しがないが、シナプス小胞蛋白質VAMP (synaptobrevin)が共存するとその結合が顕著に増強される。また、VAMPのシンタキシンへの結合はシナーフィンによって促進される。したがって、VAMPとシナーフィンは互いのシンタキシンへの結合を強め合う。これらの結果はシナーフィンがシナフス小胞のdockingと融合の間の段階で働くことを強く示唆する。
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