研究課題/領域番号 |
09680763
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
新延 道夫 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (80135748)
|
研究分担者 |
有賀 純 理化学研究所, ライフサイエンス筑波研究センター, 研究員 (10232076)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | シナプトタグミン / シナプス小胞 / エキソサイトーシス / エンドサイトーシス / イノシトールポリリン酸 / クラスリン集合蛋白質 / アルツハイマー病 / アミロイド前駆体蛋白質 / シナプス連絡 / ラット交感神経節細胞 / イノシトール6リン酸 |
研究概要 |
シナプトタグミンのC2A及びC2Bドメインはシナプス小胞のエキソサイトーシス及びエンドサイトーシスに関わる重要なドメインであり、イノシトールポリリン酸がC2Bドメインに結合することにより、エキソサイトーシスが制御されることをこれ迄に明らかにした。本研究では哺乳類系の細胞であるラット交感神経節細胞の初代培養系あるいは高透過性ウシクロマフィン細胞を用いて、C2A及びC2Bドメインの機能の詳細を調べると共に、マウス脳よりC2Bドメイン結合蛋白質の探索を行った。さらに、アルツハイマー病(AD)の発症と関わりのあるアミロイド前駆体蛋白質(APP)がラット交感神経節細胞を用いた同様の実験からシナプス小胞のエンドサイトーシスに関与していることを示唆する結果を得たので、APP細胞内ドメインに結合する蛋白質の探索も行った。その結果、1.イノシトールポリリン酸はシナプス小胞のCa^<2+>依存性融合過程と自発性放出を阻害するが、C2Bドメインに対する抗体で処理することにより、これらの阻害が見られなくなること、2.C2AドメインはCa^<2+>センサーとしてシナプス小胞の融合過程に作用し、C2Bドメインはシナプス小胞の融合とエンドサイトーシスの両方の過程に作用していること、3.C2Bドメインとエンドサイトーシスに関わるクラスリン集合蛋白質が高親和性で結合し、この結合がイノシトールポリリン酸により阻害されること、4.シナプトゾームにAPPの細胞質領域と結合する115kDaの分子量を持つ新規蛋白質が存在すること、などを明らかにした。以上の結果は、シナプトタグミンがC2AおよびC2Bドメインを介してシナプス小胞の動態を制御する中心的な機能分子であることを共通の概念にした。さらに、APPの生理機能に関わる可能性の高い新規蛋白質を見い出したことはADの発症を生化学的に解明する一つの手がかりになると考えられるので、今後はこの蛋白質の機能を明らかにして行きたい。
|