研究課題/領域番号 |
09680777
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
松井 隆司 産業医科大学, 医学部, 助教授 (10140906)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | RORα / 核内レセプター / 転写制御 / 小脳プルキンエ細胞 / プロモーター / 小脳プルキン工細胞 / 生後分化 / 糖脂質 / コアクチベータ- / プルキンエ細胞 |
研究概要 |
小脳プルキンエ細胞の生後分化と密接に関与しているオーファン核内レセプターRORαの機能を明らかにする目的で、プルキンエ細胞で発現し、RORα応答配列(RORE)を持つ三種類の遺伝子の転写制御機構を解析した結果、Pcp-2遺伝子のRORα依存的な転写がグルココルチコイドレセプター(GR)やアンドロゲンレセプターにより抑制されることがわかった。レチノイン酸レセプター(RAR)や甲状腺ホルモンレセプターにはこの抑制作用は認められなかった。GRとRORαとの転写anatagonismにはGRのN-末領域に、またRORαのC-末領域に結合する新規のメディエーターが関与していることが示唆された。一方、神経細胞の分化・発達、またその細胞死に関わるスフィンゴミエリンなどの糖脂質代謝の活性化因子であるプロサポシンの遺伝子(pSAP)転写の解析から、ROREとGT応答配列(GRE)のcis-elementとしての作用がプロモーターの種類に依存的し、また細胞特異的であることを示された。RARE(RAR応答配列)には解析したプロモーターでこの特徴は観察されなかった。プロモーター上に形成される基本転写開始複合体には質的に異なるものがあることから、RORαおよびGRはある種の基本転写開始複合体とは相互作用できない可能性が示唆された。炎症メディエーター物質ロイコトリエンの合成酵素である5-lipoxygenase(5-LO)遺伝子の転写が上流に存在するRORE依存的にRORαにより抑制されることが報告されているが、我々の解析から、RORαがRORE非依存的に転写を活性化する制御因子EGR1の作用を阻害すること、さらに、GRも同様の作用を持つことが示された。RORαおよびGRとEGR1との相互作用にどのようなメディエーターが介入しているのかは不明である。
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