研究課題/領域番号 |
09680811
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉田 薫 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50111373)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | サッケード / ポーズニューロン / バーストニューロン / 相互抑制 / 細胞内記録 / 活動休止 / 上丘 / 抑制入力 / オムニポ-ズニューロン / 眼球速度 |
研究概要 |
サッケードジェネレー夕を構成する最も重要な神経要素は、バーストニューロンとポーズニューロンであり、いずれも極めて特徴的な発射パタンを示す。前者はサッケードに一致してバースト発射し、その頻度はサッケード速度をコードする。ポーズニューロンは注視時に高い発射活動を示し、バーストニューロンを持続的に抑制しているが、サッケードに一致して活動を休止し、その結果抑制が解除されてバーストニューロンの発火が可能になる。しかし、サッケードの開始と持続を決めるポーズニューロンの活動休止が、どのような入力により生ずるかは明らかにされていない。本研究では、覚醒ネコのポーズニューロンから細胞内記録を行い、サッケードの上位中枢である上丘からの入力とならびにサッケード時の膜電位変化を解析した。上丘の電気刺激はポーズニューロンに対し、単シナプス性興奮と2シナプス性抑制を誘発した。またポーズニューロンはサッケードに一致して急激な抑制性入力を受けることが明らかにされた。定量解析の結果、この抑制は眼球速度に比例した成分、すなわちバーストニューロンからの入力と、これに先行する早い成分からなることが明らかにされた。早い成分は、活動休止の開始を決めるトリガーの役割を果たすこと、上丘からの2シナプス性抑制経路が関与することが示唆された。以上の結果から、ポーズニューロンの活動休止の開始、したがってサッケードの開始は上位中枢からの入力により制御され、一方その持続はサッケードジェネレータ内部のバーストニューロンからの帰還入力により制御されることが明らかになった。
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