研究概要 |
マウスを用いてEHV-1感染における感染防御機序,ウイルス血症,分娩への影響を調べ,以下の成績を得た. 1. BALB/cAマウス肺におけるウイルス増殖はCD4またはCD8いずれかのT細胞が存在すれば1週間以内に抑制された. 2. 肺におけるウイルス増殖抑制と肺のTNF活性の間には相関は認められなかった. 3. 感染耐過マウスの再感染においても,初感染と同様の頻度,持続期間でウイルス血症が起こるが,肺におけるウイルス増殖は顕著に抑制された. 4. 再感染時の感染耐過マウス肺におけるウィルス増殖抑制機序の1つとして抗体の関与が示唆された. 5. CD-17 scidマウス肺におけるEHV-1の増殖は非特異的に非常に速やかに抑制され,本ウイルス感染に伴う免疫機構の解析には,このままでは不適であると考えられた. 6. 妊娠マウスにEHV-1を経鼻接種すると,胎子の発育障害および死亡,産子数の減少,死産子の増加が観察されるが,産子からウイルスは検出されず,ウイルスによる直接的影響とは考えられなかった.
|