研究課題/領域番号 |
09680858
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
高岸 徹 大阪府立大学, 工学部, 教授 (50081336)
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研究分担者 |
森本 恵治 大阪府立大学, 工学部, 助手 (20239693)
河野 健司 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (90215187)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | リポソーム / 遺伝子治療 / 膜融合 / 両親媒性高分子 / ポリペプチド / 温度感受性高分子 / 薬物送達システム / 遺伝子導入 / プラスミドDNA / カルセイン / ポリエチレングリコール / ホスファチジルエタノールアミン |
研究概要 |
種々の両親媒性ポリペプチドや高分子で修飾することによって、機能性リポソームを開発した。グルタミン酸残基を含む両親媒性ポリペプチドを固定化したリポソームは、酸性条件下で融合性が高まるpH感受性リポソームであることが明らかになった。また、β-アラニン残基を結合したポリグリシドールで修飾したリポソームは、負電荷を持つ脂質膜と融合することがわかった。内部にクロラムフェニコールアセチル転移酵素の遺伝子を含むプラスミドを封入したβ-アラニン結合ポリグリシドール修飾リポソームによる動物細胞への遺伝子導入について調べた。その結果、高い融合性を示す膜組成のリポソームと処理した細胞からは、クロラムフェニコールアセチル転移酵素活性が見られ、内包されたプラスミドDNAが細胞内に導入されることがわかった。一方、サクシニル化ポリグリシドールで修飾したリポソームは、酸性条件で膜融合性となる。このリポソームはエンドサイトーシスで細胞に取り込まれると、酸性環境であるエンドソーム内で融合性となり、エンドソーム膜と融合することによって内包物を細胞質に移行させた。さらに、このリポソームをプラスミドDNA-カチオン性脂質コンプレックスと複合化することによって、細胞内にプラスミドDNAを効率よく導入する運搬体を得ることができた。さらに、温度感受性を示す両親媒性高分子ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)およびその共重合体で修飾したリポソームは内包物質や融合性を温度によって制御できることが明らかにされた。本研究で開発されたこれらの機能性リポソームは、細胞内に遺伝子を導入したり、あるいは部位選択的に生理活性物質を運搬する運搬体として有用であると考えられる。
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