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「不在」意識と美術表現との関連解析及びそれに基づく表現展開の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09710027
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 美学(含芸術諸学)
研究機関広島市立大学

研究代表者

伊東 敏光  広島市立大学, 芸術学部, 講師 (40275425)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード「不在」 / 記憶における喪失感 / 実制作者(作家)による研究 / 見えない存在 / 記憶の中の形 / 作品「不在の庭」 / 実在としての不在 / 現代美術 / 不在の存在 / 意識の形象化 / 記憶の再構築 / 現実とイマジネーションの境界 / 作品と鑑賞者を結ぶ共通意識
研究概要

「不在」とは、「本来その場所に在るべきものがそこに無い状態」を意味するが、本研究に於いてはその「不在」の概念が、いかに美術家の制作意欲の源となり表現に可能性を与えて来たか、また鑑賞者には共通の意識として作品との交点を提供して来たか、という二つの観点から20世紀後半に活躍した美術家の作品および関連資料の調査を行ってきた。
今年度の研究では昨年の研究対象作家の中から、アントニー・ゴームリー/Antony Gormiey、ルイーズ・ブルジョア/Louise Bourgeois、ヤン・ファーブル/Jan Fabreの3名に焦点を絞り、彼等の生い立ちや経験と、作品との関係についてさらに分析をおこなった。
また今年度特に注目した作家は、1970年代の現代美術界においてカリスマ的存在であったドイツ人彫刻家ヨセフ・ボイス/Joseth Beuysである。ボイスは第二次世界大戦参戦中にクリミアで撃墜され、猛吹雪による寒さで生死の境をさまよっている時に現地の遊牧民に救われた体験を持つ。帰還後彼は、獣脂やフェルト等自身にその体験を喚起させる材料を使って、彫刻制作やパフォーマンスをおこなった。ボイスは生涯の芸術活動を通して、我々の社会に欠けている見えない存在を具現化しようと試みた作家であるが、その創造性とそれが社会に受け入れられた背景に「不在」という認識で本研究者が捉えている概念が大きく関わっている。
さらに1933年のソ連邦生まれのイリア・カバコフ/Ilya Kavakovや、1950年イタリア生まれのエンゾ・クッキ/Enzo Cuoohi、その他ヤニス・クネリス/Jannis Kounellisu、ブルース・ナウマン/Bruce Nauman、日本の村岡三郎等の作家についても調査、研究をおこない、冒頭に記した二つの観点から考察をおこなっている。
また本研究における「不在」という概念そのものについても意味と領域について考察を続けている。
なお本研究においては、「不在」をテーマとした実験的作品制作を合わせておこなっており、平成11年度中に公開展示する予定である。

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 伊東敏光: "「不在」意識と美術表現との関連解析及びそれに基づく表現展開の研究" 広島市立大学芸術学部紀要. 第5号. (2000)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 伊東敏光: "広島市立大学資料館(作品展示)" 不在の庭, 彫刻3点 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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