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アルツハイマー型痴呆患者の回想と現実認識を規定する要因の探

研究課題

研究課題/領域番号 09710076
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 教育・社会系心理学
研究機関筑波大学

研究代表者

山中 克夫  筑波大学, 心身障害学系, 助手 (50282314)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワードアルツハイマー型痴呆 / 現実認識 / 状況認識論 / 回想 / 痴呆高齢者 / 逆向健忘
研究概要

平成10年度には,値段検査を用いて,アルツハイマー型痴呆(DAT)患者の現実認識は,逆向健忘の進行と関連し,病期の進行にともない,過去に遡っていくことが明らかにされた。本年度は,日常の状況の会話を通じて,DAT患者の現実認識や回想の特徴について調べることを目的とした。フィールドワークの方法をとり,特定のグループホーム内で,70〜90歳台の8人の(女性6名,男性2名:軽度1名,中度4名,重度3名)と一定時間(食事等を含む半日×10日間)を過ごした。いくつかの集団場面における会話をテープレコーダで記録し,それらの分析を行った。
その結果,まず,たとえ職員であって,毎日過ごしている特定の職員以外は,名前や何をしている者なのかがわからないことが明らかにされた。グループホームについて,その場の正しい現実認識をもっている者は8名中,3名のみであり,残りの者は「旅館」 「自分の家」 「警備にやとわれて来ている」と,各個人ごとに現実認識が異なっていた。それらは,例えば「リビングルーム」から「食堂」へのように,ある場面から異なる場面に移動する場合や時間的な隔たりによって,個人内であっても現実認識が度々変化した。また,より重度の患者の場合には,誤った現実認識が固定し,変化しないことが明らがにされた。痴呆患者の場面ごとの現実認識の生成は,それぞれの文脈が結びつかないことが関与していると考えられるが,それらが,どのような経緯をへて,固定される段階まで至るのか今後検討していくべきであろう。また,日常場面における自発的な回想はほとんどみられなかったが,現在を過去を取り違えた状況認識はよくみられた。このように,個々の患者で現実認識は異なるため,集団場面では,特に職員の心理学的な介入が必要とされることが明らかにされた。

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 山中克夫他: "代表的な社会的出来事の年代の特定にみられた健常高齢者とDAT患者の特徴の違い" 第21回日本神経心理学会発表論文集. 100- (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 山中克夫他: "痴呆の病期の進行とともに現実認識は過去に遡るのか?-Price TestにみられたAlzheimer型痴呆患者の特徴-" 神経心理学. 13.3. 207-214 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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