研究課題/領域番号 |
09710097
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 仙台大学 |
研究代表者 |
荒井 龍弥 仙台大学, 体育学部, 講師 (60254819)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 概念モデル / ル・バー / 素朴概念 / 発問 / 電流概念 / 既有知識 / 動物概念 / ル・バ- |
研究概要 |
本研究は電気回路等の科学的概念を題材として、論理操作を加えた発問の違いによる学習の様相の変化について明らかにすることが目的である。以下今年度明らかとなったことがらを述べる。 大学生に対し、日常的な電気器具を用いた電気回路を題材とした発問的文章の異なる読み物を2種類作成した。一方は「感電させるためにはどうするか(E群)」であり、もう一方は「感電しないためにどうするか(C群)」であった。これ以外の部分は全く同じであった。事前の前提値調査の結果から、それぞれ2群に分けて読み物前後の評価課題の結果を検討したところ、C群の前提知識が高いと判断された学習者は、事後において誤った電流モデル(減衰的なもの)を選択する傾向があることがわかった。回路としての電流現象理解促進のためには、積極的な回路形成についての発問が有効であることが示唆される。このことから、小学6年生に対し、蛍光灯・白熱電球等、通常交流電源を用いる家庭用電気器具について、「電池(直流回路を構成するための主要素である)で電気器具を使えるか(=回路の形成)」という発問を中心とした教材VTRをデジタルビデオカメラ・同編集用機器を用いて試作した。・小学生の視聴後の感想からは、 「とても身近なものに電気が通っていた」 「電池だと70個もいるのに、コンセントはすごい」などの反応が見られ、概ね好評であった。しかし、視聴前後における電気回路モデルへの反応はそれほど変化せず、電気現象を交流と直流とに分割する誤った考え方の修正に寄与したとは言えなかった。この教材中の発問系列の再構成による比較法的検討が今後の課題となった。 また、同様のことがらを生物概念を対象として実験を計画したが、映像素材の収集が捗らず、教材作成中途の段階である。著作権フリーの映像素材等、手軽な研究利用の方途の開発が待たれる。
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