研究課題/領域番号 |
09710098
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 東北福祉大学 |
研究代表者 |
白井 秀明 東北福祉大学, 社会福祉学部・福祉心理学科, 助手 (50281291)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 授業研究 / 誤ルール / 組みかえ / 月と太陽 / 映像教材 / 教材作成原則 / 一貫した判断基準 / 組かえ / 事例配列 / 月と太陽の動き |
研究概要 |
小学校5年理科の単元「月と太陽」において、空での月と太陽の動きについて「月の形が太く(細く)なるほど、太陽との離れ具合は遠く(近く)なって動いている」というルールの獲得を学習目標として、次のような教材作成上の原則に基づいた授業をおこない、それら諸原則の効果を検討した。1.簡易プラネタリウム、コンピュータ制御の映像、円盤モデルなどの天文映像教材を多用する(月の形によって太陽との離れ具合が変化することを連続的に示すため)2.月の表と裏の光っている部分の形を同時に考えさせる表裏モデルを使う(太陽と月と観察者という3者の角度によって月の形が変化することを示すため) 3.課題配列を、月と太陽の日周運動→月周運動という順にする 4.月周運動を扱う際、時刻を日の出・日の入りに固定した場合の月の形と方位の予想→その他の時刻の月の形と方位の予想→月の形と方位から太陽の方位(時刻)の予想、という課題配列にする(学習者の既有の誤ルール「月と太陽は常に対置して動いている」をジワジワ型ストラテジーによって組みかえるため)。その結果、事前に約3割いた誤ルール所持者を含め、内包(ルールの再生・空での月の形と太陽の具体的な離れ具合)及び外延(月の方位・月の形・太陽の方位(時刻)という3者のうちの2者から残りの1者を予想させる)の理解を測る課題において、非常に多くの学習者が一貫して正答していた。しかし、内包の相互関係の理解を測る課題(月と太陽の位置関係について命題化した複数の文章の真偽を判断させる)では、誤ルール所持者も含めて、内包の正しい相互関係を理解した者が多いとは言えなかった。従って、上述の天文映像教材の多用に代表される諸原則は、映像的な空での月と太陽の離れ具合や動きの理解には有効であったと言えるが、言語的な内包の相互関係の理解を高めるには、他の原則を付け加える必要があると考えられる。
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