研究課題/領域番号 |
09710105
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
伊藤 美奈子 お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 助教授 (20278310)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 教育相談 / スクールカウンセラー / 養護教諭 / 教育相談係 / カウンセリング |
研究概要 |
平成9年度には、養護教諭と教育相談係の役割についてアンケート調査を実施する中で、学校現場においてカウンセリング的な機能が求められていることが明らかにされた。しかしその一方で、養護教諭がカウンセラー的役割を果たし、教育相談係が相談役割を果たすためには、職場内での同僚教師間の理解・協力さらには学校内の組織としての相談体制を整えることが重要であることが示唆された。 そこで平成10年度は、「心の専門家」として学校内に導入され、これら既存の役割との協働が期待されているスクール・カウンセラーに注目し、カウンセラーと学校教師がこれらの役割をどのように認識しているかを調査した。教師312名とカウンセラー121名を対象に、意識や意見を尋ねた。また、カウンセラーについては、教職歴の有無により二分し(教職歴あり群・教職歴なし群)、教師群を含む3群間で比較検討を行った。 その結果、教師群では、双方の専門性をいくぶん折衷した役割を期待するのに対し、教職歴なし群は、両者の専門性を強調しながらもやや消極的な関わりを良しとし、教職歴あり群は、教師・スクールカウンセラーどちらに対しても積極的な関わりを期待していた。またスクールカウンセラーに求められる条件としては、教師群は「教職経験」を、一方カウンセラー2群は「専門知識技能」を第一位に選択していることがわかった。また制度への関心や期待度は、教職歴あり群が最も高く、ついでカウンセラー群で、教師群は制度に対する関心も低く情報量も少ないことが示唆された。今後の見通しとしては、積極的に評価した教職歴あり群に対し、教職群では指導上の問題を、教師歴なし群は教師集団との関係における問題点を感じていることが示唆された。 以上の結果から、スクールカウンセラーにとっても、学校現場を知ることが重要であることが明らかにされ、その点でも相談係や養護教諭など、学校内の人材を有効に活用することの必要性が示唆された。
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