研究概要 |
障害児者の家族支援の分野にあっても如何に効果的な運営を行い,またそれを援助する仕組みがどのように必要であるかについて,基礎的な検討を行うことが本研究の目的であった。前半ではアメリカ合衆国の家族支援リソースセンターであるARCHに注目し,国内のサービス機関を支援しているのかについて検討した。また当該サービス事業の立ち上げと運営に関するマニュアルを取り上げることで,我が国の事業体が課題とすべき点を指摘した。 また後半では,事業体に対する支援方法の一つとして利用者への補助金直接給付型システムを調べた。具体的には千葉県東葛地域で実施の一時介護料助成制度およびアメリカ合衆国バージニア州の家族支援バウチャーシステムについて検討した。その結果,利用者にとって柔軟で有用な方法であることが示されたが,しかし同時にシステムが十分に機能しない(制限など)と却ってサービスの保障を損なう危険性が見受けられた。また他の分野での類似システムに比べて日本の利用者が利用に積極的でない場合も見られたが,これについては今後調査を重ねる必要があるだろう。
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