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近代日本におけるセクシュアリティの歴史社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09710132
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 社会学(含社会福祉関係)
研究機関信州大学

研究代表者

赤川 学  信州大学, 人文学部・文化情報論講座, 助手 (10273062)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードセクシュアリティ / 性 / 歴史社会学 / 近代日本社会 / 近代日本
研究概要

本研究は、近代日本におけるセクシュアリティ(性、性欲)に関する言説が、いかに形成され変容したかを、一般向け性啓蒙書を中心とする豊富な一次史料をもとに、言説分析・歴史社会学の手法を用いて分析している。本研究の主要な知見は、以下の通りである。
第一に、19世紀に西洋社会で沸騰した、「オナニー有害論」の言説が、近代日本社会に輸入・定着・消滅する過程を分析した。オナニーに関する医学的言説は、「強い」有害論/「弱い」有害論/必要論の三つからなっており、「強い」有害論全盛期(1870-1950)、「弱い」有害論全盛期(1950-60)、必要論全盛期(1970-)という経過をたどることが示された。そして、(1)「強い」有害論から「弱い」有害論への変化の背景に、「買売春するよりはオナニーの方がまし」とする「性欲のエコノミー問題」が存在したこと、(2)「弱い」有害論から必要論への変化の背景に、「性欲=本能論から性=人格論へ」という性欲の意味論的転換が存在したことを明らかにした。
第二に、近代日本における「性欲の意味論」が、「性欲=本能論」と「性=人格論」の二つからなることを示した。前者は「抑えきれない性欲をいかに満足させるか」という「性欲のエコノミー問題」を社会問題として提起し、この問題に人々がどう解決を与えるかに応じて、個別性行動に対する社会的規制の緩和/強化が定まることを論じた。また性=人格論には、フロイト式のそれとカント式のそれが存在し、この二つはときに合流したり(純潔教育)、ときに拮抗・対立したりする(オナニー中心主義とセックス中心主義)ことを示した。最後に1970年代以降、あらゆる性の領域において、愛や親密性を称揚する親密性のパラダイムが、行為の価値を定める至高の原理となりつつあることを確認した。

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 赤川 学: "開化セクソロジーの研究" 『人文科学論集<人間情報学科>』. 32号. 21-40 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 赤川 学: "セクシュアリティの歴史社会学" 東京大学大学院人文社会研究科社会学専門分野博士論文. (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 赤川 学: "セクシュアリティの歴史社会学" 勁草書房, 500 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 赤川 学: "開化セクソロジーの研究" 人文科学論集<人間情報学科編>. No.32. 21-40 (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 赤川 学: "セクシュアリティの歴史社会学(博士論文)" 東京大学大学院人文社会系研究科に提出. (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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