研究課題/領域番号 |
09710142
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
本村 真 琉球大学, 法文学部, 講師 (30274880)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 児童虐待 / 大学院教育 / スーパービジョン / 里親 / ケアワーカー / 虐待親教育 |
研究概要 |
本研究費により、このテーマに関する国内外の文献収集を行い、またそれ以外にも以下のような研究実績をあげることができた。 国内においては、精神療法の権威でおられる神田橋條治氏より本テーマに関する教示を受ける機会を得、心の傷を負う者の自主性を尊重する援助技法に関して示唆を受けた。 海外においては、カリフォルニア州のサンホゼ州立大学においては、カリフォルニア州で行っている公的資金による大学院教育を活用してのソーシャルワーカー養成プログラムの実習に関して、実習を単に教育の一環としてとらえるのみでなく、施設・機関にとっての社会資源としての実習を目指すことの重要性について教示を受けた。又、サンフランシスコ州立大学カウンセリングコースのロジャー・カミングス教授及び田中万里子教授より、本テーマに関しての教示を受けた。加えて、サンフランシスコ市内の児童虐待援助施設Edgewood を訪れ、施設のシステムや実際の児童への援助方法について教示を受ける機会を得た。 以上の意見聴取や教示及び収集した資料の分析を通して、児童への援助にたずさわる援助者自身の心の傷をどう癒していくか、ということの重要性が明らかになってきた。例えば、里親やケアワーカーへの訓練プログラムにおいて、児童への体罰はしつけの一環として適切でないと頭ではわかっていても、援助者自身の心の傷を癒しておくことができていなければ、極端な場合体罰を行うことも考えられるし、体罰は避けることができても、言動その他で適切でない関わり方になったり、感情をおさえる事で援助者自身が心身共に疲れはてるといったことにつながる。その援助者への援助としてホログラフィック・メモリー・リゾルーション等の内省的なイメージを用いての援助方法も有効であるが、援助者自身の過去の心の傷の癒しにおいても、その癒しのワークにおけるテーマや進行のベース等において、個人の自主性を基に行っていくことが重要となると考えられる。
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