研究課題/領域番号 |
09710182
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
松下 佳代 群馬大学, 教育学部, 助教授 (30222300)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 意味構成 / コンテクスト / 分数 / 活動システム / 算数・数学教育 / 学習 |
研究概要 |
1. 分数の意味構成の分析ー教師と共同で分数の意味に関する2時間分の授業プランを作成し、4つの教室(主として5年生対象)で授業を実施して、分析を行った。その結果、(1)分数にはさまざまな意味(量・操作・割合・商など)があるが、分割量分数(量Aのa/bはa/bAである)を基本的概念とすることで、それらの意味を関連づけて学習することが可能であること、(2)いわゆる「テープ問題」(「2mのテープの1/4」を「1/4m」としてコンフリクトを感じない)の根本的原因は、「m」(普遍単位)と「テープ」(個別単位)の間の基準変換の困難さ、および単位の有無による意味の違いへの無自覚さにあること、(3)とりわけ後者に対する指導として、語使用の状況を共有しない他者を登場させることが有効であること、が明らかになった。 2. 中学校の数学の教室での意味と関係の構成の分析ー公立中学校の3年生の教室をフィールドとし、「二次方程式」の単元の開始から終了までの約1ヶ月間にわたって、授業の参与観察、教師・生徒への質問紙調査・インタビューなどを実施した。授業(全18時間)については「会話分析」を行い、また、質問紙調査の結果は主として因子分析によって解析した。その結果、(1)生徒は、学校と塾という異なる文化をもつ二つの活動システムを「境界横断」しながら学習を行っていること、(2)教室の中に受験文化と探究の文化という異質な学習文化が存在していること、(3)教師は、単元や1時間の授業といった時間の組織化、publicおよびpersonalな対話の組織化などにおいて、これらの文化の対立から生じるディレンマの調停を行っていること、が明らかになった。 これらの成果については、「研究発表」にあげた論文で発表したほか、現在、"Generating contexts for learning in a Japanese classroom of diverse cultures"と題する論文を準備中である。
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