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欧米家政学の受容による近代日本の家政学と女子教育の形成における死角と限界-柳田民俗学の生活学的視点からの批判的検討-

研究課題

研究課題/領域番号 09710211
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 教育学
研究機関大谷大学短期大学部

研究代表者

関口 敏美  大谷大学短期大学部, 短期大学部, 助教授 (60241212)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード家政学 / 家事教育 / 家庭改良 / 婦人改良 / 主婦 / 女子教育 / 家事の近代化
研究概要

本研究の目的は、社会的な視野から生活問題の解決をめざす「社会家政学」を提唱した柳田國男の問題提起を受けて、近代日本の家政学と女子教育の形成における特性をその死角や限界も含めて考察することである。本年度は、欧米家政学からの影響のうち、特に留学生による受容に注目し、欧米家政学の受容のされ方と受容されたものの特質を解明する。そして留学経験のある女性家政学研究者の家政論・女子教育論を彼女らの学問形成と関連づけて検討することを通して、日本家政学・女子教育の特性を明らかにしようとした。
まず欧米家政学から受けた影響としては、大江スミと井上秀をとりあげて検討した。大江スミは、1902年文部省からイギリスへ派遣され、帰国後、東京女高師で家事科教員の育成に従事した。彼女の家政教育論は、実技訓練を重視するイギリスの家事教育法を基礎に日本の生活様式に立脚した内容に再編したものである。日本の家事教育における指導者養成を担う女高師の性格上、大江スミの影響は大きく、彼女のめざした家政教育の方針が近代日本の家政学・女子教育の方向を決定することになった。井上秀の場合は、アメリカ留学をへてイギリスとは異なる家政学を摂取し、母校である日本女子大学校での家政学の形成に大きく寄与し、家政学の学問研究としての可能性を追求することになった。家政学は、近代化をめざす日本においては、家庭や社会での女性の役割を新たに規定して、女性改良と共に、社会改良・家庭改良を推進するための鍵になる学問・教育であった。この意味で、家政学が女子教育で期待された役割(=主婦養成)は一応達成されたといえる.しかし女性家政学研究者の留学体験、著書、女子教育への関わり等に注目して彼女たちの学問形成を分析し、日本家政学と女子教育との特性を解明する作業については、さらに調査・研究を進めなければならないと考える。
その際、イギリスに留学した大江スミと、アメリカに留学した井上秀子に、特に注目する。そこで、国立国会図書館やお茶の水女子大学、日本女子大学、東京家政学院大学などの所蔵状況を調査し、大江スミと井上秀子に関する資料を重点的に収集し、検討する。

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 関口敏美: "大江スミにおける家政教育論の形成と展開" 人間形成と文化 奈良女子大学文学部教育文化情報学講座年報. 第3号. 61-71 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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