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日本古代食料品貢進制度の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09710238
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 日本史
研究機関岩手大学

研究代表者

樋口 知志  岩手大学, 人文社会科学部, 文部教官助教授 (10198989)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード律令制 / 贄(にえ) / 調 / 中男作物 / 御食国(みけつくに) / 国・郡・里(郷)制 / 御厨(みくりや) / ミヤケ / 木簡 / 贅 / 雑徭 / 国郡郷(里)制
研究概要

本年度は,若狭・志摩両地方のフィールドワークを通じて,古代における食料品貢進の実態的考察を深めることがてきた点が、成果として特筆される。
若狭・志摩両国は一般にいわゆる御食国の代表と目され、同様な取り扱いを受けることが多いが、漁業国であることは共通するものの、実態的にはかなりの差異があることを見逃せない。阿川流域の平野部を中心に4・5世紀以来の古墳文化の発展に根ざした展開をみせる若狭に対して,志摩では前中期の古墳はみられず後期古墳の展開も狭小な沿岸部に限られている。更に若狭では5世紀代の膳部山古墳群と膳氏との国連や数ヶ所のミヤケ比定地の存在、古代寺院や式内社の多さなど畿内地域との古くからの交流を物語る要素が目立つのに比して,一方の志摩では伊勢神宮別宮伊雑宮の存在の他にはあまり際立つものはない。中央との関係において単独で重きを占める若狭に対して、志摩は伊勢・三河湾周辺地城との一体的閏係の中で独自の役割を負っていたと解されるのであり,両地城に対して一様に御食国との評価を与えることには問題が多い。
律令制下の食料品貢進の実態でも両者は根本的に類型を異にする。若狭では河川水系毎に律令制的収取への編成が進み,調の絹や庸の米など稲作農業経営に対応した収取方式を軸に,農閑期には大量の力役労働を投入した調塩生産が行われた.また若狭の貢は遠敷郡〓郷というごく限定された地域からのものであった。一方志摩ては純粋な漁民支配を軸に収取体制が布かれた感が強く,郡・郷・里制などの機能もかなり普通とは異なっていた可能性がある。平城宮・京出土の志摩の調荷札にみられる特徴(1年を通じた貢進)は他の調荷札にはみられないものであり,むしろ参河国播豆郡諸島の費貢進の在り方に近いものてあった。
若狭・志摩の調査・研究成果を生かして,今後大化前代の食料品貢進制度の復元や古代漁業国の類型的考察を進めていきたい.現在「若狭と志摩 御食国と古代国家 」 「日本古代の食料品貢進制度」と題した2論文の作成を同時進行中である。

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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