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Stog Palace写本とTokyo写本を用いたチベット典籍の史的系統調査

研究課題

研究課題/領域番号 09710255
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 東洋史
研究機関東京大学

研究代表者

鈴木 隆康 (鈴木 隆泰)  東京大学, 東洋文化研究所 (20282709)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワードStog Palace写本 / Tokyo写本 / Kanjur / チベット大蔵経
研究概要

昨年度より引き続き,チベット大蔵経のうち西の系統に属するStog Palace写本とTokyo写本を,東の系統に属するPeking版,Narthang版,及び漢訳を参照しつつ,複数の典籍に渡って比較対照調査した結果,以下のことが明らかとなった.
(1) 従来報告されていた通り,Stog Palace写本とTokyo写本との読みが一致して,東系統とは異るという一般的傾向が顕著に現れている.対象典籍を拡張しても,この傾向は変わらなかった.
(2) Stog Palace写本とTokyo写本の読みが異る箇所では,従来はStog PaIace写本の方が東系統に一致するという報告がされていたが,昨年度の調査ではそのような傾向は見られず,今年度も同様であった.従来の写本系統研究についての再考が必要となろう.
(3) Stog Palace写本はTokyo写本と比較して,安易な誤写・誤記が多い.このことはTokyo写本の方が複数のソースを参照して誤写・誤記を防いでいたことの傍証となりうる.
(4) Stog Palace写本の読みが他のどの版本・写本とも異り,唯一漢訳のみと一致する箇所が存在する.漢訳の歴史性とチベット訳の忠実性に鑑みたとき,Stog Palace写本の読みこそ「本来の正しい文」であると考えら れる.ただし残念ながら,このような貴重な事例は一典籍当たり数ヶ所に止まる.
(まとめ) 従来のようにStog PaIace等の写本を用いない研究では,「本来の正しい文」を見失ってしまうおそれのあることが2ヶ年に及ぶ本研究を通じて明らかとなった.今後もチベット写本の研究を継続し,注意を喚起していきたい.

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 鈴木隆康: "大乗経典編纂過程に見られるコンテクストの移動" 東洋文化研究所紀要. 136. 227-253 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] SUZUKI,Takayasu: "Nutual Influence among the Mahayana Sutras concerning Sarvalokapriyadarsana" Journal of Indian and Buddhist Studies. 94. 1-5 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 鈴木隆泰: "『金光明経る 如来寿量品』と『大雲経』" 東洋文化研究所紀要. 135. 1-48 (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 鈴木隆泰: "『大雲経』の目指したもの" インド哲学仏教学研究. 5. (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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