研究課題/領域番号 |
09710294
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
国語学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
橋本 修 筑波大学, 文芸・言語学系, 講師 (30250997)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 中古語 / 平安時代語 / 従属節 / テンス / アスペクト / 補文 |
研究概要 |
本年度は、中古語の名詞節・準体節のトキ構造について、現代語と対照しながらその特徴を明らかにし、また、昨年度の研究結果とあわせて、研究の総合的なまとめをおこなった。中古語のテキストデータについては、作品の種類に若干の変更を行ったが、源氏物語等、約20本のテキストの電子データを作成。校訂した。 現代語においては、「内の関係の連体節において、テンスフリーのタイプはほぼ皆無であるが、外の関係の連体節においては、少なくとも発話時基準でも主節時基準でもないテンス・アスペクト形式が存在し、そのうちのル形については、テンスフリーである可能性が高い」という、従来にない知見がえられた。一方平安時代語については、「内の関係の連体節も外の関係の連体節も、発話時基準でも主節時基準でもないタイプの確例は見いだせない」という結果がえられた。 この結果と、昨年度の、相対的な時間関係をあらわす節のトキ構造についての知見とをあわせると、本研究が扱ったすべてのタイプの従属節において、現代語にはテンスフリーのタイプが存し、中古語には存さないという帰結が得られる。現代語より中古語の方が表面的なテンス・アスペクト形式の種類が豊富であるが、この帰結は、この豊富さが単に見かけ上のものでなく、システムとしても、意味と形の対応のきめ細かさという形で機能していることを示すものであり、注目される。 また、準体節・「の」「こと」補文については、現代語・中古語にいずれにおいても、「の」補文・「こと」補文・引用節の三者の分布間に一定の相関関係があることが明らかになった。
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