研究課題/領域番号 |
09710317
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
国文学
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研究機関 | 都留文科大学 (1998) 名城大学 (1997) |
研究代表者 |
佐藤 明浩 都留文科大学, 文学部・国文学科, 助教授 (20225915)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 和歌 / 異名 / 蔵玉集 / 莫伝抄 / 秘蔵抄 / 古今打聞 / 唯独自見抄 |
研究概要 |
前年度に引き続き、『蔵玉集』 『莫伝抄』 『秘蔵抄』の伝本調査を行い、それぞれの内容を検討した。データは随時パソコンを用いて入力し、データベース化をはかった。本文内容についても、資料を作成して諸本間の比較検討をおこなった。その結果、下記のような事実が明らかとなった。 1. 『国書総目録』 『古典籍総合目録』に記載されている以外にも、たとえば「萬葉草木異名」の書名で伝わる『莫伝抄』など、当該書目の伝本がなお現存する。 2. 内容が『蔵玉集』 『莫伝抄』 『秘蔵抄』と重なるが項目の分量の少ない伝本が存在する。 3. 『莫伝抄』は『三体和歌』『詠歌一体』と合綴されて伝わる本が多い。 4. これらの諸書に収載の典拠不明歌のうち、それを作るもととなった和歌を特定できるものがある。 これらをもとに考察されることは多岐にわたるが、その一部を摘記する。 5. 上記2より、これらの書籍の書写の在り方は流動的で、必要な項目を適宜抜き書きして利用されることも少なくなかったと考えられる。 6. 上記3より、『莫伝抄』は、『三体和歌』における風体の詠み分けや、『詠歌一体』の制詞のリストと共通する性格を有する書物として用いられたことが推測できる。 7.これらの受容の状況は、従来指摘されているとおり、連歌師による利用を示唆している。ただし、それが具体的にどのような場であったかは、なお検討すべき課題である。
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