研究課題/領域番号 |
09710355
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
独語・独文学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大内 庸子 名古屋大学, 言語文化部, 助教授 (00273201)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 舞踊 / 女性文学 / ユダヤ問題 / ドイツ文学 / エルゼ・ラスカ-=シューラー / ユダヤ文学 / 身体論 |
研究概要 |
本研究は、平成9年度からの継続である。昨年度は、ラスカー=シューラーの初期および中期の舞踊像を分析して二つの論文(昨年度実績報告書参照)を纏めた。本年度はこの二本の論文をもとにドイツ語で書き直したものを、論文2"Tanz als poetologisches Modellbei Else Lasker-Schuler"として発表した。 論文3ネズミたちの踊り-エルゼ・ラスカー=シューラーの詩『私の青いピアノ』の分析」では、昨年度からの継続の課題であった、晩年の亡命期における「ファシズムのシンボルとしての舞踊」の問題を扱った。この論文の中では、ラスカー=シューラーの亡命期の傑作「私の青いピアノ」を扱い、この詩の中に天上的・彼岸的なものの象徴としての「人形の踊り」と、ファシズムを暗示する「ネズミたちの踊り」が、対立的に用いられていることを明らかにした。また、この二つの舞踊像は、ラスカー=シューラーの晩年の他の作品にも認められること、および、この「ファシズムのシンボルとしての舞踊」がラスカー=シューラーだけではなく、いわゆる亡命文学の他の詩人たちの作品にも登場することについても指摘した。本年度のもう一つの課題であった、ラスカー=シューラーの作品における「見世物としての踊り」という側面については、分析することができなかった。 また論文1の「ゲルトルート・コルマルの小説『あるユダヤ人の母』におけるベルリン」では、コルマルの小説『あるユダヤ人の母』を、1930年代のベルリンという都市論的な角一度から分析した。その際、ワイマール共和国におけるダンスの隆盛、およびダンスそのものがもつカオス的なイメージという観点を、盛り込むことができた。
|