研究課題/領域番号 |
09710369
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
言語学・音声学
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
澤田 英夫 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助手 (60282779)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 言語学 / 意味論 / modality / 時間解釈 / ビルマ語 |
研究概要 |
・母国語話者との対面調査 昨年度同様、大学院在学中のビルマ人留学生に協力を依頼し、計40時間を費やして動詞約150語について以下の点に関するデータを取った。 1. 日本語の「…ている」に類似した動詞連続V-ne-と助辞-te-/me-および-pi-との結合が、単独で、また様々な時間名詞表現と共にどのような解釈を受けるか。 2. V-te_/V-meが、状況説明・条件・理由などの先行文脈のもとでどのような解釈を受けるか。これに関連して、2文以上からなる発話中で各動詞形式が受ける解釈を見るために、MDを用いて発話を録音・分析した。 ・コーバス作業 昨年度に引き続き、研究補助者の手で次のテキストの入力・校正が行われた。ビルマ文字転写のシステムは、可続性、検索、ビルマ文字への復元(PC上のフォントを用いることによって)などの諸点に配慮したものである。 1. ルードゥー・ウーフラ(lu_tu.u:hla.)の『カヤー族のおとぎ話』前年度分の残り約120pp. 2. カンチュン(kan_chun')のエッセイ集『乙女たちの知っておくべきこと』約120pp. 3. マウン・ターヤ(maun_txaa_ya.)の小説『本物の唐辛子なら辛いはずだろう』の前半約50pp. ・得られた知見 - V-ne_はV-が状態動詞の場合には事象そのものに、結果を残す動態動詞の場合には結果部分に、結果を残さない動態動詞の場合には事象の開始点・終結点を除いた残りの部分に言及する形式である。一般化すると、事象の持つ均質な持続の部分を取り出すオペレータということになる。 - 条件節が-me_のみならず-te_とも共起するのは予想外であった。条件節が表す仮定に対する帰結は、ビルマ語では必ずしも非現実と捉えられない。このことから、T-M対立が持つ心的態度としての性質の強さがわかる。
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