研究課題/領域番号 |
09720014
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公法学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
佐々木 雅寿 大阪市立大学, 法学部, 助教授 (90215731)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 憲法訴訟 / 違憲審査 / 救済方法 / 合憲補充解釈 / カナダ憲法 |
研究概要 |
(1) 憲法上の救済方法の類型 カナダでは憲法上の救済方法として、違憲な部分を含む法律を全体として無効とする無効判決、一つの法律の違憲な部分と合憲な部分とを分離し、違憲な部分のみを無効とする分離の手法、文言上は違憲に見える法律を限定的に解釈することにより、その法律の合憲性を保つ合憲限定解釈、過小包摂のために違憲となる法律に、合憲となるための条件を読みこむ合憲補充解釈、ある法律を一般的に合憲と判断しつつ、特定の個人や集団に対する当該法律の適用のみを違憲として排除する合憲的適用除外、そして、法律を無効とする違憲判決の効力発生を一定期間停止し、違憲の法律に対応する機会を議会に与える無効性の一時的停止が判例上開発された。 (2) 裁判所と議会の関係 カナダでは、人権保障のために憲法上の救済を与えることは裁判所の権限であると同時に裁判所に課された義務であると理解されている。しかし、裁判所が救済権限を行使する際、議会と裁判所との適切な関係を維持することも憲法上重要である。議会の立法権限や予算配分権限を侵害せずに効果的に人権を救済する方法がカナダで模索されている。この場合特に重要なことは、議会と裁判所の関係を静的に捉えるのではなく、時間の流れの中で動的に捉え、裁判所の判決の後議会が対応し、その議会の対応を再度裁判所が審査するといった関係を前提にして、裁判所の違憲判決は議会の判断権限を侵害しないという理解がカナダにあることである。 (3) トロント大学教授等による研究のレヴュー 平成10年9月8日から9月15日の間、カナダのトロントに出張し、トロント大学法学部ジャニッシュ教授、オンタリオ州上級裁判所スウィントン裁判官、シャープ裁判官から研究のレヴューを受けた。
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