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モデル租税条約の標準化の意義に関する法政策学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09720016
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 公法学
研究機関横浜国立大学 (1998)
関西大学 (1997)

研究代表者

川端 康之  横浜国立大学, 大学院国際経済法学研究科, 助教授 (70224839)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード租税条約 / モデル租税条約 / 居住者 / トリティ・ショッピング / 条約便益 / 無差別条項 / OECD / トリティ・オーバーライド / モデル竿税条約 / 国際租税法 / 国際課税 / 移転価格 / 租税競争 / 条約の解釈適用
研究概要

1. 本研究においては、OECD他の国際機関や米国が策定している各種の租税条約モデルのうち所得課税に関する租税条約モデルの理論的変遷を、主にOECDモデル租税条約と米国モデル租税条約の対比を通じて検討した。そこで明らかとなり、今後さらに検討を加える必要があると思われる論点は次のようなものである。
2. 租税条約の適用対象者について、多くの租税条約は「居住者(resident)」の概念を用いている。また、その定義は実際の租税条約締約国の国内法上の定義をそのまま認めている例が多い。しかし、租税条約の濫用(いわゆる、trealy shopping)との関係から、OECDはこの居住者の概念から修正しつつある。一方、米国のモデル条約では、居住者概念を従来からのものとしつつも、条約上の軽減税率等の条約便益の享受主体を、居住者概念とは異なる概念で限定し、条約適用上複雑なスクリーンを設けることで条約濫用を防止しようとしている。欧州や我が国の租税条約においても米国のような特別な規定を設ける条約と、居住者概念を見直し、条約適用対象者の絞り込みを行おうとする条約に大別される傾向となっている。各国で進む規制緩和の流れの中で企業形態が従来以上に多様になればなるほど、今後、企業形態の多様性と租税条約適格の関係が検討される必要があると思われる。
3. これと密接に関連するのが租税条約上の無差別条項(相互主義)である。従来無差別条項は相手国居住者の内国民待遇を保障するものとして理解されてきたが、上述のような居住者概念の見直しが進めば、無差別条項の適用範囲もまた見直す必要が生じよう。
4. さらに、利子、配当や使用料のような受動的な経済活動から生じる所得についての課税権配分ルールがここ10年余りの間に大きく変化してきている点も重要である。利子、配当に対する源泉地国課税を認めるOECD租税条約は相手国居住者に対して支払われるのではなく相手国にそれら所得の受益的所有者が存する場合に条約上の軽減税率の適用を認める。OECDの旧モデル条約ではそのような受益的所有者という概念は用いられていなかったが、現行モデルがそのように文言を改訂したのは米国モデル条約の影響と思われ、上述の居住者概念の脈絡から、この点についてのさらなる分析が必要であろう。
5. なお、これらの分析を行うために、我が国の締結する租税条約を電算データ・ベース化する試みを行っている。

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 川端康之: "租税判例50年の流れと今後の展望" 税. 52・9. 32-38 (1997)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 川端康之: "新規事業と税制" 租税法研究. 25. 30-61 (1997)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 川端康之: "金融商品・国際課税の見直しと課題" 税経通信. 52・15. 129-135 (1997)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 川端康之: "国際租税法の流れと展開" 租税理論研究叢書. 7. 312-331 (1997)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 川端康之: "今日の国際租税法の課題" 立命館国際地域研究. 12. 107-113 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 川端康之: "利益分割法における分割要素" 関西大学商学論集. 43・4. 21-43 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] K.Vogel,et al: "Interpretation of Tax Law and Treaties and Transfer Pricing in Japanand Germany" Kluwer Law International, 256 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 川端,康之: "租税判例50年の流れと今後の展望" 税. 52巻9号. 32-36 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 川端,康之: "新規事業と税制" 租税法研究. 25号. 30-61 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 川端,康之: "国際租税法の流れと展開" 租税理論研究叢書. 7号. 312-331 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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