研究課題/領域番号 |
09720069
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
若松 新 早稲田大学, 社会科学部, 助教授 (70220837)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 野党 / 与野党関係 / 政党制度 / 政党 / 多極化 / 多極分化 / フランス第四共和制 / フランス / 小国 / ルクセンブルク / 反ナチス / 亡命政権 / 抵抗運動 / レジスタンス / 第二次世界大戦 / BBC放送 |
研究概要 |
本研究では、仏第四共和制の与野党関係を題材として、野党の研究を行った。 1 仏第四共和制下で、(1)仏共産党は「反教権主義、東の陣営、統制経済」を、(2)仏社会党は「反教権主義、西の陣営、統制経済」を、(3)急進社会党は「反教権主義、西の陣営、自由経済」を、(4)キリスト教進歩派は「教権主義、東の陣営、統制経済」を、(5)人民共和派(レジスタンス派キリスト教民主主義者)は「教権主義、西の陣営、統制経済」を、(6)右翼・反共勢力のド・ゴール派(ブシャード派を含む)は「教権主義、西の陣営、自由経済」を代表していた。なるほど、この分類法は、(5)と(6)の間に分布する「穏健各派、共和右派」等を捨象し、極小数のキリスト教進歩派を一勢力と見なし、単なる右翼以上で、広く影響力を持つド・ゴール派を過小評価した。だが、フランスにおける三つの二極対立の複合的現状を、この六極化モデルは適切に反映している。 2 仏第四共和制と酷似する政治体制は、ワイマール期ドイツと戦後イタリア政治であろう。この三者の共通点は、第一に、議会が小党分立・乱立傾向にあること。第二に、一方の共産党と・他方の、右派【仏第四共和制ではド・ゴール派(=反ナチ派)、ワイマール期にはナチ派、戦後イタリアではキリスト教民主党】が強力であること。第三に、政権の寿命が短命なことである。 3 これに対して、本研究が、仏第四共和制とベルギー、オランダを比較した事由は、二極化よりも多極化という点での類似性に着目したからである。つまり、「多極化現象」を呈する複数の代表的事例を提供して、その実態を複合的に考察したからである。さらにその後、仏第四共和制の多極化傾向が、仏第五共和制では二極分化して、四大政党・二大ブロック制に収斂された経緯を分析した。
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