研究課題/領域番号 |
09730009
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済理論
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森 知也 京都大学, 経済研究所, 助教授 (70283679)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 輸送における規模の経済 / 集積の経済 / 輸送網 / 輸送密度の経済 / 輸送ハブの形成 / 産業集積 / 国際地域モデル |
研究概要 |
都市・輸送システムをはじめとした経済の空間システムが、マクロレベルでは、いわゆるランクサイズルール-に代表される、法則的な一極集中型を安定的な構造として持つことが、多くの実証研究で示されてきた。都市の人口、都市の輸送ハブとしての規模、さらに、都市における産業特化パターン(立地産業の種類・多様性)が強い相関を持つことは、すでに数多く指摘されており、上記の構造法則性が、単に現象として興味を惹くだけでなく、地域間貿易、および、交通・産業プロジェクトなどによる地域開発政策にも重要な問題を提起するものであることは明らかであった。一方、こうしたマクロレベルの構造法則性の創発メカニズムは、未だ明らかにされていない。 本研究では、人口集積の経済および輸送における規模の経済を考慮することにより、大規模な都市・輸送システムの自己組織化をモデル化し、現実に観察される空間システムにおける構造法則性の創発メカニズムの解明に貢献した。 研究期間中の成果として、次ぎが得られた。 1997年度: 輸送における規模の経済と産業立地の関係に焦点を当て、輸送における規模の経済(輸送密度の経済)が、内生的ハブ形成を通して産業集積の主要因になり得ることを示した。(研究成果は文献[1][2]参照)。 1998年度: 1) 前年度に構築した、ハブ形成-産業集積モデルを基に、輸送密度および距離の経済を考慮して、ハブの形成、ハブの規模・位置・数、およびハブ間の階層構造を内生的に説明する、輸送網の自己組織化モデルを構築した。このモデルを用い、輸送における規模の経済の存在が、都市・輸送システムの構造法則性の創発を説明し得ることを示した(研究成果は文献[3]参照)。なお、このモデルの分析は現在も進行中である。 2) 消費財の多様性に基づく人口集積の経済を考慮することにより、都市形成、都市規模・位量・数を内生的に説明する都市システムの自己組織化モデルを構築し、人口集積の経済が、一極集中型の都市システム構造を生成する主要因になることを示した(研釧究成果は文献[4][5][6]参照)。 3) (1)(2)のモデルを基に、都市・輸送システムの相互依存的自己組織化プロセスのモデル化を現在進行している(文献[8]参照)。
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