研究課題/領域番号 |
09730031
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
大森 義明 富山大学, 経済学部, 助教授 (10272890)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ジェンダー / アメリカ / ジョブ マッチング / 労働の流動性 / NLS / 競合リスク・ハザード / セミパラメトリック法 / 最大尤度法推定 / 離職 / ジョブ・マッチ / 競合リスク・ハザード・モデル / NLSY |
研究概要 |
80年代から90年代前半における米国の労働者のジョブ・マッチング・プロセスの男女間の相違点を理解するために、個票パネルであるNational Longitudinal Survey of Youth(NLSY)1979-1994から抽出した2ヶ月単位のジョブの存続期間データを用い、時間と共に変動する諸々の説明変数と観察不可能な個人の属性をコントロールし、労働者のジョブからジョブへの移動(JJ)とジョブからの非労働力化(JN)の競合リスク・ハザード関数をセミ・パラメトリック最大尤度法により推定した.主な新たな知見は、次のとおりである.まず、説明変数の中には、教育や、経験のように、JJへの効果とJNへの効果が質的に異なるものがあるため、JJとJNを区別する競合リスク・モデルの方が集計リスク・モデルより適切である.第2に、ジョブ・マッチング・プロセスは、男女間で質的にも量的にも似ている.説明変数の値を所与とすると、JJとJNハザードは、勤続時間と共に上昇した後、下落する.これは、未知のジョブ・マッチの質が労働者のジョブ・パフォーマンスにより次第に明らかにされ、マッチの質に関して十分にネガティヴな情報が得られたときに離職が生じるという,Jovanovic(1984)とMortensen(1988)のジョブ・マッチング仮説を支持する結果である.第3に、説明変数の値を所与とすると、平均的未婚女性は、平均的未婚男性よりも僅かに高いJJと僅かに低いJNハザードを持つ.第4に、結婚は、男性のJNハザードに対する負の効果と女性のJJハザードに対する負の効果を持つため、平均的既婚者の間では、JJとJNハザードの男女差は、無きに等しい.最後に、教育は転職時に賃金上昇を伴うJJハザードに対して正の効果を持ち、女性の効果は男性のそれの2倍にもなる.
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