研究課題/領域番号 |
09730059
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
家森 信善 名古屋大学, 経済学部, 助教授 (80220515)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 金融システム不安 / 金融ビッグバン / 兵庫銀行 / 北海道拓殖銀行 / 銀行破綻 / イベント・スタディ / メインバンク関係 / 金融機関 / 経営破綻 / メインバンク |
研究概要 |
金融機関が経営破綻した場合、当該金融機関をメインバンクとする企業にとって深刻な影響が及ぶことは容易に予想される。また、ある金融機関の経営破綻が別の金融機関の経営に対してマイナスの影響を及ぼすことも、いわゆる伝染効果としてよく知られている。 本研究では、金融機関の経営破綻が取引先企業および他の金融機関に及ぼす影響について実証的に分析を行った。本研究を申請した時点では、大きな銀行の経営破綻は兵庫銀行のみであり、分析対象として兵庫銀行を取り上げる予定であった。実際、本研究の主要部分では当初の予定通り、兵庫銀行の経営破綻の影響を分析した。まず、兵庫銀行の経営破綻が、兵庫銀行をメインバンクにする一般企業の株価にどのような影響を与えたかを分析した。その結果、メイン先企業の株価は有意に低下しており、しかも兵庫銀行との関係が密接である企業ほど株価が低下していることが明らかになった。第二に、兵庫銀行の経営破綻が、他の銀行の株価にどのような影響を与えたかを分析した。その結果、兵庫銀行の経営破綻が株価を低下させたのは兵庫銀行と同様の問題を抱える銀行に限られていることが判明した。つまり、証券市場は問題銀行と健全銀行とをきちんと識別できているのであり、(良い銀行と悪い銀行を同じように扱う)パニック的な状況は生じていなかったのである。 さらに、研究進行中の平成9年度に北海道拓殖銀行が、平成10年度に日本長期信用銀行と日本債券信用銀行がそれぞれ経営破綻した。このうち、北海道拓殖銀行については、その破綻がメイン先企業に与えた影響について(イベント・スタディの手法を利用して)分析を行った。ここでも、メインバンクの破綻は、当該企業に負の影響をもたらすことが示された。
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