研究課題/領域番号 |
09740010
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小林 正典 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (60234845)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ミラーシンメトリー / Calabi-Yau多様体 / 実代数幾何 |
研究概要 |
本年度はミラー対称性の中でも、特にII型の超弦理論をCalabi-Yau多様体の上でコンパクト化した理論において、SUSY D-braneについて研究をしてきた。 SUSY D-braneとは、Calabi-Yau多様体のホモロジー類を実現する体積最小の輪体とその上のゲージ場の対である。ミラーシンメトリーで移り合う二つの理論に応じて代数的輪体と超越的輪体の入れ替えが起こるが、それぞれの場合で定式化される積構造を持つのみならず、その際のD-braneの分類空間が局所的に等しいという予想がある。Calabi-Yau多様体の幾何を調べる強力な道具につながるはずである。 このD-braneをIIB側(超越的輪体)で具体的に構成する仕方であるが、計量が埋め込まれた射影空間から引き起こされるものとは異なり具体的な記述がなされていないことから、一般に難しい。複素トーラスや複素シンプレクティック多様体の場合とは異なり、3次元Calabi-Yau多様体に対する一般論はなく、わずかに、実数体上定義されたCalabi-Yau多様体に対しては、実点集合が空でなければSUSY D-braneの底空間(special Lagrangian多様体)になるといった方法が知られているに過ぎない。 しかも、重要なSUSY 3-torusの構成例は知られていなかったため、トーリック超曲面の特異点解消を取ることにより、うまい楕円ファイバー構造を持つCalabi-Yau 3-foldで実点集合がSUSY 3-torusになるものを具体的に構成して見せた。 また、高次元代数多様体の研究において、技術的に重要なlog Minimal Modelに関するワークショップを主催した。 さらに、複素シンプレクティック多様体に対する考察を続けた。
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