研究課題/領域番号 |
09740025
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
竹内 潔 広島大学, 理学部, 助手 (70281160)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | D-加郡 / 代数解析 / 超函数 / 超局所解析 / 境界値問題 / D-加群 |
研究概要 |
高余次元境界値問題の研究においては、偏微分方程式の解の延長問題を研究してきた。すなはち、楕円型方程式の解の定義域が自動的に延長するという、柏原ー河合の定理をより一般の方程式系へ拡張する計画である。今年度は、当研究者が予想した最も広いクラスの系にまで結果を拡張することができ、しかもdistribution解の接続についての新しい結果や、確定特異点的な方程式系についての対応する結果を証明することができた(二つの結果とも掲載予定)。また、これらの研究に使用された層のマイクロ台をカットする手法やD-加群の消滅輪体の理論を利用して、Ramified Cauchy問題やE-加群に対するCauchy-Kowalevski型定理の研究を開始した。前者の研究では、D'Agnolo-Schapiraの結果の証明の簡易化に成功し、その様々なバリエーションが得られただけでなく、D-加群の正則関数解の複体の消滅輪体の超局所的視点からの研究が今後可能になると期待され、現在鋭意研究中である。 またE-加群に対するCauchy-Kowalevski型定理の研究では、石村氏の定理の証明で不明解であった箇所に正しい証明を与えることに成功した。 この結果はE-加群の逆像に関するものだが、順像すなはちE-加群の積分についての結果を最終目標としている。研究実施計画の「D-加群の積分変換」に取り組むための最初の一歩になることが期待される。また佐藤超関数解についてよく知られた偏微分方程式の解の消滅定理を、Andronikof氏の理論を用いることで関数空間がdistributionの場合にも証明した。これについては、フランスのColin氏が構成した柏原-Schapiraの函手の積分変換の理論を応用して、無限回微分可能関数での解の研究を開始した。以上の研究の他、D-加群の積分変換や特性サイクルの理論の指数定浬への応用、表現論とD-加群等の分野について見識をひろめるために、他の研究者と研究連絡をおこなった。特に最近のSchmid-Vilonenらによる表現論への応用についての学習に努めた。
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