研究課題/領域番号 |
09740053
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大鹿 健一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (70183225)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | Klein群 / 双曲多様体 / 変形空間 / 極小曲面 / 調和写像 / end |
研究概要 |
Klein群論の究極的目標である、全てのKlein群に対して変形空間を決定するという問題を解決するためには、基本的に次の2つの課題を解決する必要がある。1つは無限体積双曲3次元多様体のendの構造を調べるという課題である。もう1つは2つの代数的に同型なKlein群の関係、等角共役、擬等角共役などを双曲多様体の構造を使い判定するという課題である。私はこの双方の課題に対して、微分幾何を用いた手法、特に極小曲面、調和写像が有効であることに着目して、研究を進めてきた。 今回の科学研究費の補助による研究では、主に上の第2の課題についての研究を進めた。特にKlein群の擬等角共役性を判定するに当たっては、曲面からの調和写像のふるまいを解析することが決定的役割を果たすことを、これまで知られていた、Minskyのending lamination theoremを自由積分解可能なKlein群に対して拡張することと合わせて、Transactions of AMSの論文で示した。また双曲多様体のendの幾何的構造が、self-conjugateの問題に役立てることができることを、Lille大学のPotyagailo教授との共同研究において明らかにできた。変形空間自体の構造についても、位相空間的構造の研究の端緒となると思われる、収束発散条件について、Math.Ann.の論文と、Geometry and Topology Monographsの論文において結果を与えた。 今後は第1の課題の方について、特に双曲空間の極小曲面の解析を用いて、進めることを計画している。これには測地線と極小曲面の交わり方を調べるための、面積評価を含む、より広範な微分幾何的手法が必要となると思われる。
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