研究課題/領域番号 |
09740095
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
藤解 和也 金沢大学, 工学部, 助教授 (30260558)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 有理型函数 / 代数型函数 / Nevanlinna理論 / 値分布論 / 複素線型常微分方程式 / Riccati方程式 / Weierstrassのp函数 / 一意性問題 / 対数導函数 / 線型常微分方程式 / 複素振動理論 / hypertranscendency |
研究概要 |
本研究実績の概要は以下の様に述べられる。 1 有理型函数を係数とする線型常微分方程式の有理型又は代数型な大域解に関する値分布的な評価。平面上の有理型或いは代数型解が成す基本解系と係数の族との値分布に於ける関係について、昨年度から継続している研究の精密化を行い、また微分体の観点から解釈の定式化を行った。 2 Weierstrassの〓-functionを係数とするRiccati微分方程式の有理型函数解の存在と二重周期性に関する研究(石崎克也・Ilpo Laine・下村俊各氏との共同研究)。代数的微分方程式の大域的一価有理型函数解の存在について研究する目的で、表記の方程式を詳細に調べ、平面上で有理型な解が成す1径数函数族が存在する為の十分条件と、その場合の二重周期性に関する結果を得た。 3 2価代数型函数に関する第二主要定理の精密化。代数型函数の値分布については、Nevanlinna-Selberg流の議論で導くことのできない奇妙な現象が1970年代に小澤満・新濃清志・戸田暢茂らによって観察されていた。本研究では、定義方程式の係数である整函数族の一次関数に注目し、第二主要定理の拡張に成功した。これを応用する事で、Picard定数から2価代数型面を決定する問題が解決できることが判った。 4 有理型函数とその導函数との一意性に関する研究。これらが一つの値を共有するための条件を述べたR.Bruck,Q-C.Zhangの結果について簡明な別証を与えると共に、導函数に限らず、極の分布にある程度「同調」がある場合には同様な結果が成り立つことを証明した。 複素力学系理論への応用については、値分布論の高い有用性が確認できたものの、尚研究途上であり、現状では顕著な成果を挙げるに至っていない。本研究は今後も継続して行う。
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