研究課題/領域番号 |
09740113
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
池田 薫 熊本大, 理学部, 助教授 (40232178)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | Moditied Classical Yay-Baxter方程式 / Lie代数 / 代数群 / 量子化戸田格子 / ラックス行列 / Kphierarchy |
研究概要 |
今年度は戸田格子の量子化の研究を行った。戸田格子のラックス行列にあらわれる共役運動量を微分作用素に置き換えたものを考える。これを例えば量子ラックス行列と呼ぼう。これは以前に離散ラックス行列のポアッソン構造を研究した際にも出て来たアイデアであるがその際は古典系のアナロジーとして互いに可換になるようなラックス行列のべき乗のトレースの非可換ラックス行列の上での類似物の研究に終始した。今回の量子化の試みは対合的なハミルトニアンの量子的類似物の構成を別の視点から捉えなおすことから始めた。古典論では陰関数の定理よりハミルトニアンとしてラックス行列のべき乗のトレースのかわりにラックス行列の固有値をとっても戸田格子と同等の時間発展が得られることが分かる。量子ラックス行列(Lとかく)はA【cross product】C^nに作用するオペレーターとみなす。ここでAは適当な関数空間である。V_λでLのλ固有空間とする。V^^<^>=【cross product】_<λEC>Vλとしたときλ成分のみL|v_λで他の成分には1として作用するオペレーターのテンソル積を考えればそれらを可換な量子化されたハミルトニアンとみなせるだろう。従って戸田格子の量子化は量子ラックス行列の固有値空間を求める問題に帰着される。通常のラックス行列の固有空間は有限次元であるが量子ラックス行列の固有空間は線形偏微分方程式の解空間になるため無限次元空間になる。V^^<^>は複素平面の各点の上に無限次元の線形偏微分方程式の解空間が乗っているようなprincipal fiber bundleの構造を持っている。fiberにはモノドロミ-群が作用する。量子化ラックス行列の解空間を調べ、n=2の場合には固有ベクトルがL^2関数のベッセル関数展開を与えることを示しこれを論文にまとめ専門誌に投稿した。
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