研究概要 |
平成9年度に引き続き複素平面上での有理型函数の性質を調べた。特に、ある函数方程式で定義される有理型函数で、かつ有理函数を係数とする代数的微分方程式を満たさない函数(超・超越性)の特徴付けに取り組んだ。また、有理型函数の全体に座標を導入する視点から一意化問題を議論した。超越函数に座標を入れるのに代数的な函数を用いることに微分方程式からの方法を応用することができた。ここでは、次の形の函数方程式について得られた結果を述べることにする。0<|c|<1として (1) Σ^^n__<j=0>a_j(z)f(c^jz)=Q(z), ここでa_j,j=0,...,n,a_na_0≠0,Qは有理函数である。方程式(1)の超越的有理型解について Theorem. f(Z)を(1)の超越的有理型解とすればT(r,f)=0(log^2r)かつlog^2r=O(T(r,f))である。 Theorem.n=1とする、任意の(1)の超越的有理型解f(z)は・超越的(Hy-pertranscendental)である.すなわち、有理関数を係数とするいかなる代数的常微分方程式を満たさない。
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