研究概要 |
本年度は、一次元有限状態セルオートマトンのアトラクタと漸近挙動とを不変集合の安定性と関連付ける研究を行なった。概要を以下に述べる。 1. セルオートマトンをn回作用したポテンシャル関数に対するゼータ関数の決定 記号S={1,2,...、N}上のセルオートマトンのn回作用を与える局所写像に付随した構造行列M(n,a),a∈Sを次で定義する。ここで、n回局所写像をf:S^<np+1>→Sと書く。 (M(n、a))r_1・・・r_<np>・s_1・・・s_<np>=_1 if r_2・・・r_<np>=s_1・・・s_<np-1> and f(r_1・・・r_1・・・r_<np>s_<np>)=a 0 otherwise. 第0座標にのみ依存するポテンシャル関数V(x)=V(x_0)をとる。この時、シフト(X(n),σ)のゼータ関数はdet(I-=Σ_<a∈S>^e^<-V(a)>M(n,a))^<-1>と書けることがわかった。 2. セルオートマトンをn回作用した後の配置空間X(n)の構造と、漸近挙動の評価 上の構造行列から自然に定義されるsofic測度がJacobianを持つ条件を示した。このとき、Gibbs測度はGibbs測度に誘導され続けることがわかる。
|